無線機
モトローラの無線機・インカム・トランシーバーのご紹介
モトローラ社製の無線機(インカム・トランシーバー)は、世界的にシェアが高く、堅牢性に優れている点が特徴です。
この記事では、モトローラ社製の無線機(インカム・トランシーバー)について、メーカーや機種の特徴、よくあるトラブルへの対応方法について説明します。
モトローラとは
モトローラ社は、アメリカに本社を構える“通信”に関わる製品やサービスの提供を幅広く行っている企業です。企業規模が大きく、製造している製品や提供サービスの種類も多岐に渡るため、多数の事業部門や法人に分かれています。
日本国内においては、無線通信機器を扱う“モトローラ・ソリューションズ株式会社”と、携帯電話の製造・販売を主事業とするモトローラ・モビリティ・ジャパン合同会社があります。無線機に限ると、KENWOOD、アイコム、八重洲無線と並ぶ、大手の無線機器メーカーとして認知されています。
モトローラ社製の無線機の特徴
モトローラ社製の無線機の特徴は、防塵・防水性能をはじめとして、筐体も頑丈に作られている点で、日本国内では官公庁や公共機関など、防災を含めた重要通信など、ライフラインを守るようなシーンで使われています。民間企業においても、スーパーや衣料品などの店舗、屋外でのイベント、工事現場や結婚式場などにおけるスタッフ間の通信など幅広く利用されています。
国内使用OKなモトローラの無線機(インカム・トランシーバー)
日本国内で使用できるモトローラ社製の主な無線機(インカム・トランシーバー)は以下の機種です。
無線機の種類 | 特定小電力トランシーバー | 簡易業務用無線機 | IP無線機 | モトターボ |
機種名 | MS50 MS80 CL08 CL1K CL40 CL45 CL70A CL120A | MIT7000 MIT5000 MIT3000 GDB4800 GDR4800 GDR4200 GDR4000(車載型) | TLK100 | SL2K XiR P8668i XiR E8608i XiR P6620i XiR M8668i XiR M6660 SLR 5000系 XiR R8200 |
通信距離の目安 | 100m〜200m | 1〜5km | 全国 | 1〜10km |
市街地 | 50 m〜100m | 0.5km〜1km | 全国 | 1km〜2km |
見通しの良い場所 | 100m〜300m | 4km〜5 km | 全国 | 5 km〜10 km |
送信出力 | 10mw | 1W〜5W | - | 25W |
中継機対応機種 | MS80/CL45/CL70A/CL120A | - | - | 全機種対応 |
免許・登録 | 不要 | 必要 (レンタルの場合不要) | 不要 | 不要 |
購入時の価格帯 | 12,000円~ | 35,000円~ | 80,000円~ | 要お問い合わせ |
購入時の注意点
モトローラ社の無線機(インカム・トランシーバー)は、世界各地で販売されていますが、国内で使用する際には日本の電波法で使用が認められている機種を選ぶ必要があります。
電波法で認められているかの確認方法は、本体(裏面など)に技適マーク(技術基準適合証明)の記載があるかどうかを確認しましょう。日本国内で使用が認められている無線製品には必ずこの技適マークがあります。
特にモトローラ製の無線機(インカム・トランシーバー)の場合、他のメーカーと比べて世界的に認知度が高く普及している分、製品の外観だけでは見分けがつきにくい場合があるので注意が必要です。
ネクストギアーズが販売しているモトローラの無線機
弊社では、モトローラにラインアップされている簡易業務用無線機(登録局/免許局)、IP無線機、特定小電力トランシーバー、モトターボの全てを販売しております。
主に簡易業務用無線機やIP無線機である「TLK 100」「GDR4200」「MiT7000」「MiT5000」「MiT3000」「GDR4000」などをはじめとして、特定小電力トランシーバーの「CL40」や「CL70A」などの“CLシリーズの全て”と中継器を販売しています。
【TLK100】
TLK100はハンディタイプのIP無線機です。通信範囲はNTTドコモの4G/LTEのエリア内であれば全国どことでも通信が可能で簡易業務用無線や特定小電力トランシーバーと比較すると圧倒的に広域です。筐体も厚さ約2センチ、重さ170gで小型軽量で最大18時間の連続使用時間が可能です。モトローラ社製の他の製品と同様に堅牢性にも優れており、-10℃~60℃の環境でも利用できるなど、幅広いシチュエーションで利用できます。 運用には月額約2,000円/台のデータ通信料が必要となります。
【MiT7000】
MiT7000はハンディタイプの無線機です。5W/1Wの切り替えが可能で通信範囲は最大5kmです。音声が聞き取りやすく、通信の遅延が少ない機種です。MiT7000の特徴はスタイリッシュな見た目で、披露宴や式典などフォーマルな場面での使用にも違和感がありません。連続使用時間は約10時間です。
【MiT5000】
MiT5000はハンディタイプの無線機です。出力は5W/2W/1Wに切り替えが可能で通信範囲は最大5kmと、MiT7000と同様ですが、連続使用時間は最長で約16時間と、他の販売製品と比較し、長時間の運用が可能です。
【CL40/CL45】
CL40やCL45はともに運用時間が約85時間であり、CL70AやCL120A(約33時間)と比べ運用可能時間が長いことが特徴の機種です。さらに上位機種であるCL45は、中継器に対応しており通信距離を広げることができます。CL40やCL45は長時間の運用が可能であるため、店舗運営など1日中連絡を取り合う場合の連絡手段として使用しやすいです。
【CL70A/CL120A】
CL70AとCL120Aはともに防水性や防塵性がIP67とCL40やCL45と比べ高いことが特徴の機種です。また、機種の重さも約95gとCL40の半分の重さで持ち運びしやすいです。さらに、上位機種であるCL120Aには、音声録音と再生機能がついています。また両機種ともに中継器に対応しているので必要に応じて通信距離を広げることが可能です。CL70AとCL120Aは、防水・防塵性や持ち運びのしやすさから、飲食店やアミューズメント施設、工事現場などの連絡手段として使用すると良いでしょう。
モトローラのレンタル無線機
弊社ではモトローラのラインアップの中でも、レンタルが法律的に認められている登録局をご用意しています。
登録局のデジタル簡易無線機は、単発のイベントやレジャーなど、必要となった場面でその都度手軽に使用することが可能です。また、レンタルの際には無線局の運用の特例に係る届出が必要ですが、ネクストギアーズでは全てのレンタル利用に対して届け出を実施しておりますので安心して利用可能です。
※免許局の無線機は電波法で名義人しか運用(使用)してはいけないと定められているのでレンタルはできません
※参考条文:電波法 第七十条の九(登録人以外の者による登録局の運用)
無線局と登録局の違いは以下の記事で詳細を解説しています。 〈無線局と登録局の違いとは?〉
モトローラ製無線機のレンタルラインアップのご紹介
ネクストギアーズのレンタルラインアップには、「GDR4800」「GDR3500」「GDR4000」の3種類のモトローラの簡易業務用無線機があります。
GDR4800やGDR3500は、ハンディタイプの無線機で、移動しながらの無線通信を行う場面全般に適しています。通話品質を向上させるためのオプション品が充実していることから、屋外などの騒音を伴う場面での利用に適しています。GDR4000は、机や車内などに設置し、広い範囲で複数の無線機が使用される場面で、通話品質を向上させる基地局としての利用に向いた簡易業務用無線機です。
【GDR4800/GDR3500】
GDR4800やGDR3500はいずれもハンディタイプの無線機です。GDR4800はGDR3500の後継機にあたり、GDR3500と比較して軽く、ディスプレイが大型化しチャンネルやロック状態などの視認性が向上しています。ネクストギアーズでは、幅広いシチュエーションでの利用に対応できるように大容量電池を採用しており、同カテゴリーのレンタル機種と比較して長時間使用することが可能です。
どちらの機種も出力は5W/1Wの切り替えが可能で、通信範囲は1km〜5kmとなっており、基本性能や防塵防水性にも差はありません。後継機のGDR4800には、オプション品として、通話品質を向上させるイヤホンやアンテナなどが充実していることから、屋外での騒音を伴う作業により向いています。
【GDR4000】
GDR4000は車載型(据え置き型)の無線機です。車への搭載や机上に設置することが可能となっており、車載時は車両のDC電源(直流)、机上設置時はAC電源(交流)で駆動します。DC電源は12V~24Vまで対応しているので、一般的な12V仕様の乗用車から24V仕様のダンプにも搭載することが可能です。
5W/1Wの出力切り替えが可能で、通信範囲はアンテナの位置により1km〜10kmと、GDR4800、GDR3500より一回り広域での通信が可能です。現地の環境に合わせてアンテナの種類と設置位置を調整し環境を整えることで安定した通信が可能になります。フェスやレジャー施設など、野外や大型施設など広範囲での通信が必要な際には、GDR4800やGDR3500と併用するといいでしょう。
モトローラの無線機がうまく動かない時の対処法
モトローラ社製の無線機(インカム・トランシーバー)を利用している際に、「電源が入らない」「電源ランプが点灯していても、相手と通信できない」などのトラブルが発生する場合があります。以下に、主なトラブルとその対処法について紹介します。
『電源が入らない』
電源が入らないときは電池そのものが消耗しているか、電池の端子との接触が悪い可能性が考えられます。充電済みの電池または新品の電池と交換する、電池の端子を拭くなどを試してみましょう。 それでも電源が入らない場合は、本体の修理を検討します。据え置きタイプの無線機については、電源コードと本体の接続を確認しましょう。
『相手と通信できない』
相手と通信ができない際は、自分から音声が発信できていない状況と相手の通信を受信できない状況で不具合の原因が異なります。
- 【1】自分から音声が発信できていない場合
- 【2】相手の通信を受信できない場合
【1】自分から音声が発信できていない場合の対応
PPT(通話)ボタンが正しく押されているか、キーロックがかかっていないかどうかを確認します。また、設定が受信専用となっている場合は送信を行うことができません。他にもアクセサリーのイヤホンマイクなどのケーブルが断線していないか、受け側のボリュームがゼロになっていないか確認してみましょう。
【2】相手の通信を受信できない場合の対応
まずは使用しているチャンネルが間違っていないかを確認しましょう。相手と同一のチャンネルを使っていない場合、音声を受信することはできません。同一のチャンネルにもかかわらず通信できない場合は、相手との距離が遠すぎるか、それぞれの無線機の設定が異なっている可能性があります。距離を近づける、設定を合わせるなどの対応が必要です。また、【1】の場合と同様にアクセサリーの断線で音が聞こえなくなっている可能性があるので、アクセサリーを本体から外して本体のみの状態で通信できるか確認してみましょう。
よくある設定ミス
秘話機能のON/OFFの混在があります。秘話機能とは通信内容を傍受されないよう、同一の秘話IDが設定された無線機同士でのみ通信を行う機能で、秘話機能をONにしている場合、無線機で行う通話はすべて秘話通信となります。秘話通信を行う際には、送受信機がどちらも秘話機能をONにしており、かつ、同一の秘話IDを使用している必要があります。秘話機能がONとOFFの無線機が混在すると正しく送受信できないのでご注意ください。
秘話機能がONの場合、ディスプレイに「秘」のマークが表示されているか、秘話IDが同一かを確認し、設定が一致しているか確認してみましょう。
まとめ
モトローラ社製の無線機・トランシーバーは、防塵防水などの高い堅牢性に加え、官公庁の防災無線にも使用されることから、通話品質の高く人気の無線機です。
店舗、式典など、比較的狭い範囲にはGDR4200のように送信出力が小さい機種、広い範囲で使用する場合はTLK100やGDR4000など据え置きタイプの無線機を用いるなど、用途に応じた柔軟な選択が可能です。
国外向けの機器を開発しているメーカーでもあるため、無線機の購入、レンタルで機種を選択する際には、通称「技適マーク」と呼ばれる、日本国内における技術基準適合証明を受けていることを確実に確認し、使うようにしましょう。