無線機
デジタル無線機とは?2022年簡易無線のデジタル化の注意点を無線機のプロが分かりやすく解説!
デジタル無線機って何?
デジタル無線機は電波をデジタル方式で発信する無線機です。アナログ無線機に比べてクリアな音質で、見通しの良い場所での長距離通信が得意です。
2008年に電波を管理する総務省により簡易無線のデジタル化が推進され、2009年頃にデジタル無線機(登録局)が登場しました。それまでは、免許人しか使用できないアナログ無線機しかなく、レジャー利用やレンタルが合法的にできませんでしたが、デジタル無線機の登場により無線機の利用シーンが広がりました。
何故デジタル無線機が生まれたか?
デジタル無線機は、通信で占有する周波数帯幅が少なく電波を有効に使えます。デジタル無線機が生まれた理由はそこにあります。
電波は有限な資源です。その限られた資源である周波数を、テレビ、ラジオ、携帯電話、消防や救急無線、Bluetooth、Wi-Fi等に割り当て使用していますが、国内の周波数帯は既に目一杯使われているので、電波の有効活用のためデジタル化を積極的に進めているのです。
デジタル無線機とアナログ無線機の違いって何?
電波の飛ばし方(処理方法)の違い
デジタル無線機とアナログ無線機は、電波の飛ばし方が違います。電波の飛ばし方にはデジタル方式とアナログ方式の2種類があります。無線機で通信する際、音声が電波に乗るように変換する「変調」という作業を行います。
変調作業を“100枚の写真の受け渡し”に例えてみましょう。
アナログ方式の場合、100枚の写真を現像したものを、アルバムに綴じて届けます。デジタル方式では、写真のデータをUSBに保存し、そのUSBを届けます。
アナログ方式(アルバム)は通信に容量をたくさん使用しますが、デジタル方式(USB)は、データを圧縮するので通信容量が少なくて済みます。そのため、デジタル方式の方が、一度にたくさんの情報を送れるということです。
アナログ無線機とデジタル無線機のメリット
- アナログ無線機のメリットは、電池長持ち、受信にタイムラグがないことです
- デジタル無線機のメリットは、雑音のないクリアな受信音、通信の秘匿性が高いことです
デジタル無線機へ移行(デジタル化)の注意事項
アナログ無線機からデジタル無線機へ移行のお知らせ
アナログ簡易無線機の使用期限は2022年11月30日までとなります。そのため、期限までにデジタル無線機への買い替えや総合通信局への変更・廃止申請など、然るべき措置が必要です。
※2020年に発生した新型コロナウイルス感染症対策の関係で期日が延期になる可能性があります(2020年9月現在)
機種を買い換えて変更する際は種類に注意!
アナログ無線機を買い換える際は、「免許局」「登録局」の種類に注意してください。通信する周波数が異なるため互換性がありません。また、使用するにあたり総合通信局への申請もそれぞれ異なります。
免許局と登録局の違いについては下記コラムもご覧ください。
無線機の免許局と登録局の違いとは?
「技術基準適合証明等のマーク」が付いた無線機を選びましょう
「技術基準適合証明等のマーク」(以下、技適マーク)
日本国内で使用するために作られた無線機には技適マークが付いています。
これは電波法で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するマークで、無線機個々に付けられています。インターネット等で海外の無線機を購入する等、技適マークの付いていない無線機は免許を受けられないだけでなく使用自体が違法になる恐れがあります。
無線機ごとの総合通信局への申請内容
■アナログ無線機- ・2022年11月30日以降、無線機を使用しない(廃棄する)場合
- ・2022年11月30日以降、アナログ無線機からデジタル無線機に買い替え、引き続き無線機を使用する場合
アナログ無線機の廃止申請
アナログ無線機の廃止申請/デジタル無線機の免許申請
無線局の変更申請 ※申請とは別に、無線機本体からアナログ波を発射しないように本体の改修が必要です。
■デジタル無線機申請不要。利用中の無線機はそのまま使えます
■免許局無線機から登録局無線機に変更して使用する場合お持ちの免許局無線機の廃止申請/登録局無線機の登録・開設申請
申請費用と費用例
申請手続きの際、総合通信局に支払う手数料がかかります。
- 免許申請…1台あたり4,250円
- 変更申請…不要
- 廃止申請…不要
- 登録申請…1団体あたり2,900円(1台だけの個別登録の場合、1団体あたり2,300円)
【費用例】 アナログ無線機30台を免許局のデジタル無線機に買い換える場合
アナログ無線機30台の廃止申請…手数料不要
デジタル無線機30台の免許申請…127,500円(4,250円×30台)
+デジタル無線機購入費
デジタル無線機へ移行(デジタル化)のスケジュール例
免許申請や変更申請の処理期間は約4週間です。ですが、申請日が2022年11月30日に近づくほど、総合通信局側に申請が殺到し処理期間が4週間以上に長引く恐れがあります。また、デジタル無線機本体が品薄になる可能性もゼロではありません。
2022年11月30日の期日までに滞りなく無線機のデジタル化が終えられるようにしましょう。
【移行のスケジュール例】
2022年6月…デジタル無線機の機種選定
2022年6月~7月…デジタル無線機を購入
2022年7月~8月…総合通信局へ免許申請や変更申請を行う
ここまでの煩雑な手続きや申請は、全てネクストギアーズがサポートさせていただきます。1人でやろうと思うと何から何までやらなければいけないですが、難しいことはプロにお任せしませんか?
デジタル無線機への移行に向けた入れ替えキャンペーンも行っていますので、是非ご相談ください。
アナログ無線機からデジタル無線機へ移行方法の詳細については、下記コラムでも説明しています。
アナログ方式の簡易無線局の使用期限と対処方法
シチュエーション別デジタル無線機活用例とオススメ機種紹介
イベント(TCP-D551)
小型で軽量なので長時間でも扱いやすい機種です。何より、追加レンタル可能な登録局の無線機なので、イベントの規模に応じて台数が足りなければレンタルで即日対応できます。5Wのハイパワーのため、広い会場でもしっかり通信ができます。警備(GDR4800)
防塵・防水機能が非常に優れており、一定時間水没しても水が浸入しないほどの性能です。そのため、屋外警備でも砂塵や雨を気にせず使用できます。 ユーザーコードと秘話コードの組み合わせも可能で、通信内容を傍受されないよう秘匿性を上げることができます。老健施設(IP500H)
携帯電話と同じ電波を用いた無線機なので、全国どこでも通信が可能です。送迎車両と施設の通信手段に用いることで距離に関係なく安全な通信ができます。また、法人本部と施設に置くことで、災害時の安否確認や初動対応指示等のBCP対策に役立ちます。ビルメンテナンス(IC-DU75)
使えるチャンネル数が登録局に比べて多いのが特徴です。デジタル波65チャンネルのため、都心部や市街地で電波が多く飛び交うビルでも混信の心配がありません。IC-DU75はデジタル波のみ通信する機種のため、アナログ波停波後も特別な措置なく継続して利用できます。さいごに
「いま使っている無線機はデジタル無線機なのだろうか?」「アナログ無線機を持っているが、この先どうしたらいいの?」等、使用中の無線機のことや、気になることがあれば一度ネクストギアーズへお問い合わせください。
※コロナウイルス感染症の影響で、2022年11月30日までのアナログ無線機の使用期限の延長も示唆されています。情報が確定次第こちらのコラムも更新しますので、よろしければブックマークの上、定期的なご確認をいただけますと幸いです。
▶デジタル化についてもう少し詳しくという方はこちらのコラムもご覧ください!
▶無線機のご購入とレンタルサービスの利用で迷った際はこちらのコラムもご覧ください!
(新しいタブで開きます)