【トランシーバー】本体が“小さい”インカムを種別毎にご紹介

トランシーバー（無線機・インカム）は小さい方が良いと思いませんか？普段、仕事でトランシーバーを使用している方であれば、「トランシーバーは小さくて軽い方が良い」という方は多いのではないでしょうか。

なぜトランシーバーは小さい方が良いのか

一般的なトランシーバーの重量は200ｇ~350ｇです。数値で見ると小さく見えますが、トランシーバーは腰元にベルトクリップで挟んだり、ショルダーベルトで肩から掛けて保持することが多く、本体が重いほど服装が乱れたり、動くたびに体にぶつかったりします。仕事でトランシーバーを使う場合、1日中保持し続けることもあり、疲れやストレスの原因になるのでトランシーバーは小さい方が良いのです。

なぜ小さいトランシーバーが少ないのか

トランシーバーは、小さい方が体への負担もストレスも少ないのに何故小さい機種が少ないのでしょうか。

バッテリーが大きい
スピーカーが大きい

トランシーバーには、通信距離に関わる「出力（Ｗ）」を支えるために大きいバッテリーが使用されています。また、スピーカーが大きい点についても、騒音環境下でも明瞭に音声を届けるために仕方がない部分があります。

小型でオススメなトランシーバーの前に

トランシーバー（無線機・インカム）は、通信ができる距離によって、3つの種別に分かれていて、用途や環境に応じて選ぶべき機種が異なります。小型のトランシーバーのオススメは、以下の3つの種別ごとに紹介します。

トランシーバーの種類

トランシーバーの種類は、特定小型トランシーバー、簡易業務用無線機、IP無線機の3つに分類され、それぞれ通信距離によって用途が分かれています。

	1：特定小型トランシーバー	2：簡易業務用無線機	3：IP無線機
通信距離	約200m	約1km〜10km	携帯電話（3G/4G/LTE）の範囲内
免許・登録	不要	必要（レンタルは不要）	不要
主な利用シーン	小規模イベントレジャー利用など	大規模イベントスポーツ大会など	フルマラソン規模のイベント広範囲で通信が必要な場合など

【通信距離別】種別ごとのオススメ小型トランシーバー

短距離で利用できて持ち運びしやすいトランシーバー

短距離で利用するトランシーバー（特定小電力トランシーバー）の中で、最も軽い機種は、ALINCOから販売されている重量約50gのDJ-PX5です。薄い機種を使いたい方には、ジャパンエニックスから販売されている薄さ8mmのシルキーがおすすめです。その他、F.R.Cから販売されている、FT-20Wは腕時計型のトランシーバーとなっており、持ち運びがしやすい機種になります。

機種名	メーカー	重量	サイズ
DJ-PX5	ALINCO	約50ｇ（電池・クリップ含む）	幅41.6 mm×高さ52.6 mm×奥行17.2mm
シルキー	ジャパンエニックス	約63ｇ	幅83 mm×高さ54 mm×奥行8mm
DJ-PX31（B/S）	ALINCO	約64g （電池含む）	幅52.8 mm×高さ73.8 mm×奥行14.6mm
FT-20W	F.R.C	約78ｇ（専用電池含む）	幅48 mm×高さ74 mm×奥行24mm
NX-MINI	F.R.C	約95g (専用電池含む）	幅50 mm×高さ83 mm×奥行25mm
CL70A	モトローラ	約95g（本体のみ）	幅57.0 mm ×高さ88.0 mm× 奥行16.5mm
UBZ-M31	KENWOOD	約110ｇ (アルカリ単三乾電池含む、ベルトフックなし)	幅79.9 mm×高さ47 mm×奥行22mm
IC-4300	ICOM	約120g （専用バッテリー装着時）	幅47 mm×高さ81 mm×奥行26.5mm
IC-4880	ICOM	約152g （専用バッテリー含む）	幅58 mm×高さ82 mm×奥行21mm

※特定小型トランシーバーの機種を軽量順で記載しています。

短距離で持ち運びしやすいオススメトランシーバーの特徴

・DJ-PX5

紹介している特定小電力トランシーバーの中で、最軽量のモデルです。電池、クリップを含んでも約50ｇの軽量型で使い勝手が良く、マイクも本体に内蔵している大変コンパクトな無線機です。

・シルキー

特定小電力トランシーバーの中で、最も薄い8mmで名刺入れよりもコンパクトなトランシーバーです。他の製品と比べて充電の持ちが良くないことがあるため、使用する上ではバッテリーの残量に注意が必要です。

・FT-20W

腕時計型の特定小電力トランシーバーです。時計にイヤホンを装着して通話可能な機種です。 ※ネクストギアーズでは取り扱いはございません

中距離で利用し持ち運びしやすいトランシーバー

中距離で利用するトランシーバー（簡易業務用無線機）の中で、最軽量機種と最薄の機種はKENWOODから販売されている重量約160g、薄さ28mmのTPZ-D510です。（2021年9月時点で在庫限りで終売）

機種名	メーカー	重量	サイズ
TPZ-D510	KENWOOD	160g （バッテリー、ベルト含む）	幅54 mm×高さ155 mm×奥行28mm （固定アンテナ含む）
GDR4200	モトローラ	約185g (アンテナ・ダストカバー含む）	幅54 mm×高さ88 mm×奥行29.2mm　（突起物含まず）
IC-D70	ICOM	IC-D70:約236g （BP-290装着時）	幅56 mm×高さ92 mm×奥行29mm （BP-290装着時／突起物を除く）
TCP-D551	KENWOOD	約254g （KNB-75L装着時）	幅56 mm×高さ92 mm×奥行29.4mm (KNB-75L装着時/突起物を除く)

※簡易業務用無線機の機種を軽量順で記載しています。

中距離で利用し持ち運びしやすいオススメトランシーバーの特徴

・TPZ-D510

胸ポケットに収まるくらいコンパクトで、この表の中での最軽量機種であると同時に、最薄の機種になります。また、1台で2つのチャンネル(グループ)の待ち受けや通話が可能なセカンドPPT機能を搭載しています。披露宴会場やホテルなど複数の場所での連携がある状況におすすめの機種です。

長距離で利用し持ち運びしやすいトランシーバー

長距離で利用するトランシーバー（IP無線機）で最も軽い機種は、IP500H/IP500H#02、IP501H 、IP502Hの4機種です。最も薄い機種は、SoftBankから販売されている薄さ20mmの301SJになります。軽さと薄さの両方で比較すると、重量約240gで薄さ32mmのIP500H/IP500H#02、IP501H 、IP502Hがおすすめです。

機種名	メーカー	重量	サイズ
IP500H IP501H	ICOM	約240g （BP-272装着時）	幅59 mm×高さ95 mm×奥行32mm （BP-272装着時）
IP502H	ICOM	約240g （BP-272装着時）	幅59 mm×高さ95 mm×奥行32mm (BP-272装着時)
SK-3000	SmartWave	約250g （電池パック装着時）	幅58 mm×高さ95 mm×奥行31.8mm　（電池パック装着時）
801KW	SoftBank	約264g (電池パック装着時）	幅64 mm×高さ141 mm×奥行23mm
301SJ	SoftBank	約290g (電池パック装着時）	幅69 mm×高さ160 mm×奥行20mm

※IP無線機の機種を軽量順で記載しています。

長距離で利用し持ち運びしやすいオススメトランシーバーの特徴

・IP500H/IP501H/IP502H

IP67相当の高い防水性に加えGPSを搭載しています。スマホタイプなどと違い、従来の無線機の形状を踏襲しているために馴染みやすく使いやすい小型サイズのIP無線機です。FOMA通信エリア内なら建物内や地下でも通信可能であるため、特定小電力トランシーバーや簡易業務用無線機で通信しにくい場所でも円滑な連絡が可能です。

小型のトランシーバーを利用するために必要な手続き

トランシーバーを利用する場合、購入とレンタルの2つの方法があります。紹介したトランシーバーの中で、簡易業務用無線機を個人で購入する場合、無線機の免許状または登録状の取得が必要です。（レンタルの場合は、登録申請を行っているレンタル業者を使うことで手続きが不要になります。）

法人や団体が業務使用目的で利用する場合は免許局、個人、法人や団体が第三者への貸し出し、レジャー利用を目的として購入する場合、登録局を使用することになります。レンタルサービスを利用する場合を除き、どちらの無線機を使用するにも、法律上（電波法）手続きが必要となるので、必ず適切に申請を行ってから利用するようにしましょう。

※免許局は個人では取得できませんので機種選定の際はご注意ください