トランシーバー
トランシーバー(インカム・無線機)の使い方とトラブル対処法
トランシーバー(インカム・無線機)で通話する際は、チャンネルを設定して送信ボタンを押しながらマイクに向かって話します。
トランシーバー使用時によくあるトラブルとして、電波が届かないことが挙げられます。電波が届かない理由は通信可能範囲を超えていることや、壁やビル、山などの遮蔽物が電波を遮断してしまっていることがあります。
そのため、使用する目的や環境などを考慮した適切なトランシーバーを使うことで滞りなく通信ができる可能性が高くなります。
本コラムでは、トランシーバーの基本的な操作方法や、通信ができない場合の対処法などをご紹介します。
トランシーバー(インカム・無線機)を使う前に確認しておきたいこと
トランシーバーには、以下のように大きく分けて3つの種類があります。特定小電力トランシーバー | 簡易業務用無線機 | IP無線機 | |
通信距離 | ~200m | ~5km | 携帯電話の通信圏内 |
遮蔽物の影響 | あり | あり | なし |
送信出力 | 0.01W(10mW)以下 | 1~5W | 0.25W以下 |
免許・登録 | 不要 | 必要 | 不要 |
簡易業務用無線機のみ、使用するには免許や登録が必要となります。必要な手続きを踏まないまま使用してしまうと電波法違反となり、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられてしまいます。
上記の表から使用する距離や環境に合わせてトランシーバーを選び、必要であれば事前に免許の取得や登録をおこないましょう。
レンタルの場合は、レンタル業者が総務省に申請を出しているため免許の取得や登録の申請がなくとも利用が可能です。
トランシーバー(インカム・無線機)の3つの通話方式
トランシーバーには「交互通話」「同時通話」「一斉同時通話」という3つの通話方式が存在します。
【交互通話】
最も一般的な通話方式です。送信(通話)ボタンを押している間のみ音声が相手に届く方式で、こちらが送信を行っている間は受信ができず、逆に受信中は送信ができません。
【同時通話】
特定の機種にのみ備えられている通話方式です。携帯電話で話すように、送信と受信を同時に行う事ができます。
クレーン操縦など、両手が塞がりつつも双方がタイムリーに話が出来る必要があるシーンで使用されています。
【一斉同時通話】
こちらも特定の機種にのみ備えられている通話方式です。多人数と同時通話ができます。
こちらも両手が塞がりつつも双方がタイムリーに話が出来る必要があるシーンで使用されています。
基本的な使い方の手順
トランシーバーの機種によって異なることもありますが、基本的な使い方はチャンネルを合わせて、送信ボタンを押しながら話すことで通話できます。
- ・Step1:電源をオンにする
- ・Step2:音量を設定する(聞こえるようにしておく)
- ・Step3:通話相手とチャンネルを合わせる
- ・Step4:送信(通話)ボタンを押して話す
交互通話の場合は話しているときのみ送信(通話)ボタンを押す、などの細かな違いはありますが、基本的には上記の手順でトランシーバーを用いての通話が可能です。
設定の方法は、各トランシーバーの購入やレンタル時に付属する説明書を見るようにしましょう。
トランシーバー(インカム・無線機)での話し方
「こちら田中です。鈴木さん先ほどの件どうなりましたか?“どうぞ”」というように、トランシーバーでの会話は対面での会話と違って少し独特です。
初めてトランシーバーを利用する方は少し躊躇してしまうかもしれません。ここからはトランシーバーで会話する際に、どうすると良いのかをご案内します。
【基本形】トランシーバーでの話し方
先述した通り、「“こちら田中です”。“鈴木さん”先ほどの件どうなりましたか?“どうぞ”」という形が基本です。
一般的なトランシーバーは、1対複数人での会話となるので、「こちら田中」という風に「誰が」を明らかにしましょう。次に「鈴木さん」という風に「誰に」という事を全体に伝えます。続けて要件を話し、最後に「どうぞ」で締めます。
トランシーバーで話す際の注意点
トランシーバーは、目の前にいない複数の人たちに話しかけることになるので、急に要件を話し始めてしまうと、「誰宛に話しているのか」が不明確になってしまいます。また、話している人が送信ボタンを押している間、他の人は送信する事ができないので、要件を手短に伝えられるようになると良いでしょう。
トランシーバー(インカム・無線機)の説明書がない場合の対処法
説明書がない場合はメーカーのホームページを確認してみましょう。メーカーのホームページには、問い合わせ窓口への連絡先が記載されていることや、PDFなどで説明書のダウンロードが可能となっていることがあります。
ネクストギアーズのホームページにも各機種のページに説明書をご用意してあります。ネクストギアーズでは、使用目的に合わせたトランシーバーの選定から、ご購入やレンタルいただいているトランシーバーの操作方法のレクチャー、設定サポートも実施しています。
よくあるトラブルの対処法
電波が届かない場合
トランシーバー本体や使用環境に問題があると電波が届かなくなることがあります。考えられる原因としては主に以下の3つがあります。
- ■電源が入っていない
- ■トランシーバーの通信可能範囲を超えている
- ■遮蔽物や天候などの環境の問題
液晶画面のないトランシーバーでは、そもそも電源が入っていなかったということも起こりやすいので注意が必要です。また、通信可能範囲内で通信ができない場合は使用する環境に問題がある可能性が高いです。
特定小電力トランシーバーと簡易業務用無線機では、通信相手との間に壁や天井、山などの遮蔽物があると通信できない場合があります。IP無線機の場合だと携帯電話の電波が届かない場所(山奥や地下など)では通信することができません。
使いたいシーンにどのトランシーバーが合うかどうかは、事前に無料のデモ機をレンタルして、実際と同じような環境でテスト使用して確認するとよいでしょう。
混信してしまう場合
特定小電力トランシーバーや簡易業務用無線機は、限られたチャンネルを分け合って通信をおこなうため、合わせたチャンネルがすでに他の利用者によって埋まってしまっていると混信が起こります。 チャンネルが埋まっているときは、他の空きチャンネルを探すかチャンネルが空くのを待ちましょう。
混信を避けるためにはチャンネル設定後に「どなたかこのチャンネルを使用していますか?」などと口頭で確認をとり、応答がないチャンネルを利用するとよいでしょう。
ご利用の機種によっては「ユーザーコード」や「秘話コード」という混信や漏洩を避ける設定できる無線機があります。これらのコードは一言でいうと”暗証番号”のようなもので、同じチャンネルかつ、同じ暗証番号を設定している無線機同士のみ音声のやり取りができるようにする機能です。
ユーザーコードや秘話コードを設定することにより、混信を防ぐことができますが、使用するチャンネル(周波数)が増えるわけではないので、合わせたチャンネルがすでに他の利用者によって埋まってしまっている場合は他のチャンネルに変えてみてください。
イヤホンマイクなど、アクセサリーにトラブルがある場合
無線機にイヤホンやマイクなどを接続して使用する際に通信ができなくなった場合、それらのアクセサリーに何らかの問題がある可能性があります。
まずはアクセサリーを全て外し、無線機本体同士で通信ができるかどうか試してみましょう。無線機本体同士であれば問題なく通信ができる場合、アクセサリーに以下の要因が考えられます。
- ■アクセサリーがしっかりと接続されていない場合
- ■ケーブルが断線してしまっている場合(故障)
不具合の原因を特定するために、もう一度アクセサリーを接続し直してみましょう。その際、コネクタがしっかりと接続されているかどうかを確認してください。
それでも通信ができない場合、アクセサリーに不具合がある可能性があります。対象のアクセサリーを他の無線機に接続して、その症状が他の無線機に移動するようであれば原因はアクセサリーにあると言えるでしょう。
ネクストギアーズでは、ご利用機種に最適なアクセサリーをご案内しております。
まとめ
トランシーバーの基本的な使い方は、チャンネル設定し、送信ボタンを押しながら話すことで通話できます。使用する際は、以下の点に注意をしてみましょう。
- ■簡易業務用無線機を使用するためには事前に免許や登録が必要
- ■電波が届かない場合は、本体か使用環境に問題がある可能性が高い
- ■混信時は空きチャンネルを探すか、合わせたチャンネルが空くのを待つ
- ■アクセサリーの動作確認を行う
無線機と聞くと、「免許が必要なのかな」「混信が不安だな」などご不安なこともあるかと思います。
日常的に使用している方がまだまだ少ない分野の製品かと思いますので、ご不安な事やご不明点等がありましたらお気軽にお問い合わせください。
▶インカムの使い方についてもう少し詳しくという方はこちらのコラムもご覧ください!
▶購入とレンタルの比較についてはこちらのコラムもご覧ください!
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